「人が描く絵画の価値とは、何でしょうか」
AIが描いた絵画が普及するにつれて、人が描く絵画の価値とは何かという疑問はますます深まるでしょう。
そこで、人が描いた絵画の価値とは何かという本質を見つめ直してみました。
これからも人が描く絵画には価値があります。
その理由は、AIにはない「人間らしさ」があるからです。
この記事の目次
- 絵画の価値とは?新たな視点や作風が生まれること
- 絵画の価値は、言葉で説明しきれないもの。
- 絵画の価値とは、揺れやブレという人間的な感覚
絵画の価値とは?新たな視点や作風が生まれること
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絵画の価値とは何ですか?
人が描く絵画の価値は、インスピレーションを通じて、過去の作品を超えた新たな視点や作風が生まれることです。
その時、参考資料は必要ではありません。
「思いつく」という能力が備わっているからです。
AIは過去の作品のデータを基にして絵を描くので、今までになかったものを直感で生み出すことはできません。
元になるデータや情報が必要になるからです。
今までになかった新しいアートが生まれること。
今までになかった新たなアートは、これからも人の手で生み出されるでしょう。
参考までに現在の日本の法律では、AIが描いた絵には著作権がありません。
1点ものの絵画の著作権について知りたい方は、下記の記事をご覧ください。
>> 購入した絵画を商用利用できる?知っておきたい著作権の話
絵画の価値は、言葉で説明しきれないもの。
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絵画の価値は、言葉で伝えるよりも豊かな表現があること。
参考資料のあるデザインは、AIでも作ることができます。
たとえば、特定の画家や作品、作風に似た作品を描くことです。
説明ができるものは、AIでも作ることができます。
人間が描く絵画の価値は、言葉では説明しきれないことです。
もちろん作品を説明することはできるが、その言葉で説明するよりも作品は多くの要素を含んでいます。
画家が気づかずに無意識で表現していることも多いです。
作品を見る人の視点によって、作品が持つ意味は変わります。
アートは見る人が自由に解釈できるからこそ、奥が深いです。
アートの本質は漠然としていることに、絵画の価値があります。
アートの本質は漠然としていることです。
そこに作品の本当の価値があります。
コンピュータは説明ができるものを描くのは得意です。
一方、漠然としていて説明しきれないものは人間だからこそ描くことができます。
答えがない作品はこれからも人間が描くでしょう。
参考までに、抽象画の作品の楽しみ方を、下記の記事に書いています。こちらもあわせてご覧ください。
絵画の価値とは、揺れやブレという人間的な感覚
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絵画を眺めていると、なぜ心地良いのでしょうか?
絵画を眺めていると、なぜ心地良いのでしょうか?
その不思議を道を歩く時の感覚に例えて見てみましょう。
たとえば、日本には東海道という道があります。
東海道とは、日本の古い街道で京都の三条大橋から江戸(現在の東京)の日本橋から至る道です。
東海道は歌川広重の『東海道五十三次』の浮世絵にも描かれてきました。
旧東海道を含め、旧街道とされる道は歩きやすく、歩いていて心地よいです。
これはもちろん、歩きやすい場所を選んで街道が作られたこともあります。
加えて、道そのものが歩きやすい構造になっているのではないでしょうか?
日本の昔からある道はまっすぐではない。左右に緩やかなカーブが続きます。
一方、新興住宅地や新しい計画都市の道は直線です。
これは車が走りやすいことを考えて、計画しているのかもしれません。
旧東海道も、計画都市の道もどちらも歩くことができます。
これは人が描いたアートもAIが描いたアートも絵として見ることができるのと同じです。
旧東海道などの旧街道は歩きやすく、長い時間歩いても心が疲れることはありません。
しかし、計画都市の歩道は、しばらく歩いていると退屈してくる。あまりに道が単調だからです。
この違いから、道は「揺らぎ」がある方が歩きやすいのだと気づきました。
道は完璧な直線ではない方が歩きやすいのです。
計画されて作られたものは完璧であるが、感覚としては心が惹かれません。
人間の感覚には、完ぺきな直線ではない方が心地よいのです。
この人間的な感覚の揺れは道で表すと分かりやすいです。
絵画の価値とは、人間的な感覚の魅力
絵画の価値でも同じことが言えるでしょう。
人が描いた絵画は、デザインとして完璧なバランスの作品でも、人の感覚で作られています。
コンピュータが描いた絵は、人間的な感覚の揺れが作品に現れることはありません。
この人間的な感覚で作られた要素が、見る人にとって心地よい感覚となっています。
絵画を一目見ただけでは分からないが、気づかないうちに作品の魅力になっています。
人間の絵画は完璧ではないからこそ、心が惹かれます。
今は、AIが生み出した「アート」は2次元であるが、技術の進歩とともに3次元にも広がると予想されます。
しかし、揺れやブレがある人間らしい絵画の価値は、AIが生み出すことはできないでしょう。
ご参考までに、サステナブルアートが目指す場所とは何か?について、サステナブルアートの隠れたゴールとは【究極は捨てない】の記事で書いています。こちらもぜひご覧ください。
また、初心者向けに絵画を購入する時に知っておきたいことを、下記の記事にまとめました。
こちらもぜひご覧ください。